同棲の提案(足入れ婚)【女性向け恋愛コーチング60話】

前回のお話:結婚と出産【女性向け恋愛コーチング59話】

雨上がりの濡れた歩道を夢子のマンションを出た2人は、先ずは先日話を聞いた不動産屋さんに向かう事にして、夢子から腕を絡めて腕を組んで歩く形で目的地に向かっていた。

同棲の提案(足入れ婚)

夢子はさっきから元の元気がないような気がしてそれが気になっていた。

それは機嫌が悪いような表情ではないのだが、口を開くことなく何となく思いつめたような雰囲気を漂わせていて、その理由が将来の事を考えてというのは容易に想像がついた。

これ以上の沈黙の時間を過ごしたくなかったので夢子から思い切って、つい思いついたことを話してみた。

「ねえ?足入れ婚って知ってる?」

「何ですかそれ?聞いた事ないです。」

「私も良く知らないんだけど、古くからある田舎の風習で結婚前にね、本当に結婚しても上手くやっていけるかどうかを試すために、お嫁さん候補が結婚前に旦那になる予定の家に入って過ごすって風習なの。

それは夫婦というよりも実家の舅とか姑との人間関係を見極める意味合いが大きかったみたいだから、一人暮らしの二人には関係ない話なんだけど、ようは私が言いたいのは少しでもお金を節約して、結婚しても余裕の生活をするためにも、元さんの部屋に私が転がり込んじゃおうかなって事なの!」

「私は男ですからその辺は大丈夫なんですけど、まだ婚約したわけでもないと言うか、夢子さんのご両親の顔すら見たことがない状態で、同棲するってのは夢子さんこそ大丈夫なんですか?」

確かに全くの思い付きで後先考えないで口に出してしまったのだが、やっぱり今の部屋を引き払って男性と同棲するのなら、やっぱり両親には話をしておいたほうが良いだろうと思った。

「元さんの住んでいる所は広いんですか?」

「ほぼ夢子さんの部屋と同じくらいの広さです。

ただ僕の場合はテレビも無いですし生活用品は必要最低限しか持ってないので、少し持て余すくらいですから、短い間でしたら一緒に暮らすのも大丈夫だと思います。

ただやっぱりお互いの両親に付き合っている事くらいの報告で顔を出しておいたほうが親も安心すると思いますし、やっぱり結婚するってなったら色々と周りに助けてもらう事が出てくると思いますから、お互いの両親とか僕の場合は会社の社長にも挨拶しておいたほうが良いと思います。」

話をしている間に目的の不動産屋に到着したが生憎と、先日対応してくれた若い女性のスタッフは他のお客様の案内で出かけているという事で、後で出直しますと言って店を出てきた。

「今から元さんのお部屋に行っても良い?

大丈夫だったら一旦家に帰って明日の準備をして明日は元さんの家から会社に行くのも大丈夫なんだけど?」

「えっつ!」

元は黙って考えていた。

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