生活シュミレーション【女性向け恋愛コーチング58話】

前回のお話:出会いの神様のサイン【女性向け恋愛コーチング57話】

確かに元が言うように、そもそも週末に夢子の部屋に来てもらったのは、もう若くなくて時間がない二人だから、結婚してから生活が破たんして後悔したり、このまま結婚を前提にお付き合いを続けてやっぱり元が低収入で生活が維持できないと気が付いて別れる事になったら、ただでさえ婚活に残された時間も少ないという理由で、経済的な事を話し合うのが目的だったのである。

それが夢子の看病というアクシデントが有ったとはいえ、真剣に話し合いをしないまま二人でお酒を飲んで、なんとなくベットインして婚前交渉に至ってしまったのは、もしかしたら縁結びの神様の機嫌を損ねてしまったかもしれないと夢子も思えてきた。

それは何の当てもなく思い付きで縁結びの神様にお参りに京都まで出かけて、その日の夜に焼き鳥屋で偶然隣に座った男性と、こうしてお付き合いをしているのだから神様のご利益を信じないわけにはいかなかった。

ただ縁結びの神様がなぜ結婚相手候補に低収入の男性を引き合わせたのかを考えると、お賽銭が少なかったとしか考えられなかったのだが、いまから八坂神社に現金書留でお賽銭を追加で送ってもご利益が追加されて、急に元が高収入になるとも思えなかった。

たまたまバスの出発時間前に時間があって入った焼き鳥屋のカウンターで、独身で婚活中で首都圏在住で、しかも同じく縁結びの神様のお守りを貰ったばかりの男性が隣に座る確率なんて、宝くじに当たる確率より低いのではないかと思った。

ただ残念なことに宝くじも結婚相手も実際に手に入れないと分からないところが多くて、果たして元が大当たりなのか、6等のティッシュペーパーなのか今の夢子には分からなかった

それは貯金もして優しくて真面目そうで気を使ってくれる容姿も人並みな男性ではあるのだが、いかんせん年収が400万に満たないという夢子が希望する最低ラインを満たしてないという大問題が残っていたのである。

(天は二物を与えず・・といっても何が二物なんだか・・)

夢子と元がテーブルに向かい合って座ると、元はポケットから三か月分の給料明細を取り出してテーブルの上に置いた。

給料明細

「ボーナスが年に二回支給されて過去にボーナスが出なかったことは一回も有りませんが、景気の良い業界じゃないですし、なにしろ中国とかの安い製品が入ってきて年々競争が激しくなっているので、ボーナスは別腹という事でシュミレーションしたほうが良いと思ってます。」

「人事の人に確認した限りでは結婚して家族手当が付いて手取り額は最低でも25万円という事でした。

こんな話を聞かせてしまって申し訳ないです。」

と言って元は軽く頭を下げた。

確かに夢子より給料は安かったし出張も多いようなので、いろいろ考えるとやっぱり生活設計は厳しいと言わざるを得なかった。

夢子の給料は手取り30万円近くあったので、流石に安いと思ってしまって少し心が揺れたような気がした。

「とにかくかかる生活費を書き出してみましょう!」

という夢子の提案で生活費の目安を書き出してみることにした。

するとやはり家賃を抑えない限りレジャーにいくお金も貯金もできない事がはっきりした。

「わかってはいましたけどギリギリですよね・・すいません。」

「将来のことは誰にもわからないんだから大丈夫!

子供が出来るまで私も働くし、じゃあデートがてら物件を見に行きましょう!」

窓の外を見るといつの間にか青空に変わっていた。

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次回のお話:結婚と出産【女性向け恋愛コーチング59話】