結婚式を省略【女性向け恋愛コーチング54話】

前回のお話:続・恋人の看病【女性向け恋愛コーチング53話】

夕方戻ってきた元はスーパーのレジ袋を差し出した。

「これ良かったら食べてください、鍋焼きうどんとか弱っていても食べれそうなものを適当に買っておきましたから。

家に帰って少し横になるつもりが、結構寝てしまったもので今日はもう遅いですし、夢子さんもだいぶ元気になられたようですので今日はこれで帰ります。

だいぶ元気になったようでも私が押しかけて中にいるのも迷惑でしょうし・・・それに・・」

そこまで言った所で言葉を遮って夢子が言った。

「ええ~!今日は泊るって事で一旦帰ったんじゃないですか!

私は大歓迎ですから、とにかく靴を脱いで上がってくださいよ。」

と言いながら元の腕をつかんだ夢子は靴を脱いで家に上がるまで絶対に手を離さないと思った。

「だってあがって私の安月給の定収入男の話なんて聞いたら、頭が痛くなって前よりも熱が出ちゃいます!」

元が遠慮しているのか、それとも夢子の部屋に泊まるのを嫌がっているのか自信が無くなってきた夢子は、今日このまま元を帰してしまったら縁が切れるように思えてきたので、かなり強引に靴を取り上げてとにかく部屋の中に引っ張り込んだという表現がぴったりする行動だった。

「30分位で食事の支度できますから、その間はお風呂が沸いてますから、ゆっくり入ってきてください。

頂いた鍋焼きうどんも一緒に作りますから、一緒に仲良く食べましょう。」

グズグズしていたら今度は強引に服をはぎ取られるとでも思ったのか観念したのか、今度は素直にバスルームに行って風呂に入ったのを確かめて、食事の支度に取かかったのだが冷凍ピザしか買っていない事に気が付いたが、いまさらどうしようもないのでピザを焼いて鍋焼きうどんを火にかけた。

愛の鍋焼きうどん・結婚式は省略

夢子も一緒にバスルームに入ったほうが良いのかとも考えたのだが、さすがに完全にインフルエンザが治っていない状態で元に移すのも申し訳ないし、さすがにまだ今から結婚を前提にお付き合いするかどうかの、経済的な話し合いをする前に2人で入浴というのは少し早いかと思って我慢する事にした。

元は15分ほどでバスルームから出てきたのだが、夕食の支度と言っても出来合いのピザと鍋焼きうどんを温めて、冷やしておいたワインを出すだけだったので食事の用意は出来ていた。

何となく向き合ってワインで乾杯して宴が始まったわけであるが、話の話題はすぐに将来設計の話になった。

夢子の希望としては、その話よりも明るい話題を先にしたかったのであるが、二人ともやはりその話を片付けてからでないと、先に進めないのは一緒だったので必然的にその話になったのである。

元が切り出した。

「会社の経理とか給料関係をやっている社員、といっても社長の奥さんなんですけど、もし結婚した場合に家族手当とか控除額の増加などで、給料がどのくらい増えるのか聞いてみました。

結論をはっきり言っちゃうと毎月額面30万円で手取り額は24万円弱というところです、これに夏と年末のボーナスが一応は有るのですが、業績によっては出ない場合もあるわけですし、過去の実績から出ても30万円という感じです。

自分でもとても恥ずかしい話なのですが、夫婦二人暮らしならなんとかギリギリなるとしても、子供を作って大学まで行かせるとなると、相当見通しは厳しいのが現状だと思います。」

元はそこで一旦息を止めてはっきりと言った。

「けど僕は夢子さんの事が好きになってしまいましたし、結婚したいと思っています。

けど好きだから結婚してから苦労すると分かっていて一緒になろうとか、共働きでお願いしますとは言えないです。」

夢子はそこで元の言葉を遮った。

「ちょっと結論を急がないで少し私も話させて下さいね。

私は私なりに将来の事を考えてみたんだけど、衣食住のうち住の部分を少し我慢すれば何とでもなると私は思ったの。

住居費を8万円以下に抑えれば元さんの給料だけで生活は賄えるし、私も子供が出来るまでの少なくとも半年間は働けるから貯金も殖やせると思うし、それにね私も元さんの半分くらいの貯金は有るから、私が子供が出来るまでは目いっぱい働いてお金を貯めれば、いまは安くなっている2DKのマンション位は手に入るんじゃないかしら?

そうしたら家賃はいらなくなるし大丈夫じゃないかって私は思うの

別に私は結婚式なんてやらなくて構わない派だから、元さんとご両親さえよければ結婚式は省略しちゃえば余計なお金はかならないし、新婚旅行だって子供が幼稚園児になってから家族旅行すれば良いのよ!

それに安定してお給料貰って貯金も有るんですから言うほど低収入じゃないと思います!」

元は少し怪訝な表情で言った。

「そんな楽観的な考えで大丈夫でしょうか?

お財布は夢子さんに預けてお任せしちゃいますけど・・・」

「とにかくね、明日は一緒に賃貸アパートとか中古マンションを見て回りましょうよ。

じゃ今日はもうお金の話はお仕舞にして楽しく飲みましょう!」

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