恋人の看病(かぜひいてまんねん)【女性向け恋愛コーチング52話】

前回のお話:アラフォー独身女性はとても損【女性向け恋愛コーチング51話】

夢子は寒気と自分のくしゃみで目を覚ました。

元からの電話を切ってから調子に乗って祝杯を上げ過ぎた事と、知らない間に下着姿のまま布団もかけないで眠りに落ちていたので、自分ではっきり自覚ができる風邪症状だった。

時計をみると既に朝8時だったので12時間後には、元の訪問予定だからそれまでに体調が元に戻る事に希望をいだいて、救急箱に入れてあった改源を飲んで布団をかけて目をつむった。

改源かぜひいてまんねん

「かぜひいてまんねん」

自虐的にそう呟いて昼までに何とかしなくちゃと思ったが、お昼ごろには意志に反してくしゃみは止まらないし、熱はかなり高くなってきてしまったようで体温計が無いので正確には分からなかったが、もしかしたら40度近いのではないかと思えるほど熱が高くなってきた。

夢子の考えていた予定では午前中に部屋の掃除と買い物に行って、午後は夕食の支度をするつもりだったのだが、もうベットから起き上がる元気も無くなっていて、笑って”かぜひいてまんねん”と言える状況ではなかった。

元との今夜の約束を延期するのであれば、早めに電話して伝えておいたほうが良いのだが、元がどんな風に思うのかを想像すると、直ぐに決断する事が出来なくて電話をしたのは午後2時になってからだったが電話は圏外のアナウンスが流れるだけで、留守番電話のメッセージも流れなかった。

夢子は夕方になったら電話する事にして、改源を追加で定量の倍を水で流し込むと時間まで眠ることにした。

部屋の掃除もしていないし夕食の買い物すらいっていないのだから、今夜は元を迎えるのは絶望的な状況になっていた。

夕方

夕方から何度か電話して元と連絡が取れたのは夕方6時で、元はいま仕事が終わって今から夢子の所に向かおうとしていたところなのだと言った。

夢子は風邪で潰れたお婆さんのような声で目下の状況を説明して謝った。

「本当にごめんなさい、必ず埋め合わせしますから」

「食事とかちゃんと取れてますか?かなり酷いんじゃないですか?

よかったら何か買って持っていきます、自宅は住所を聞いていますから分かりますので大丈夫です。

話し合いは今度ということで、お渡ししたら直ぐに帰りますので・・」

それじゃ余りにも申し訳ないので固辞しようと思ったのだが、口から出た言葉は全く逆の言葉だった。

「ありがとう・・」

シャワー

とてもベットから起き上がれる状態ではなかったのだが、体中汗で濡れている状態で臭いも気になったので、フラフラの状態でシャワーを浴びて改源を追加で飲むことにした。

ドアをノック

ドアを開けると少し疲れた表情の元が立っていた。

「少し食べ物を買ってきました、それとアイスクリームが入ってますから良かったら・・」

そう言いながら元は夢子の額に手を当てた。

「あっつ!これ相当高熱じゃないですか!病院に行きましょう!」

そう言うとスマホで夜間病院を探してタクシーを呼んでくれた。

医者

診察の結果はC型インフルという事で頓服を貰って、2人でタクシーに乗って夢子の部屋に戻ってきた。

夢子はタクシーから部屋まで抱っこして貰ってベットに戻った。

夢子はそのあいだずっと元に謝り続けていたが、元は優しく気にしないでとだけ言った。

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