貧困男子と結婚【女性向け恋愛コーチング47話】

前回のお話:中距離恋愛のコツ【女性向け恋愛コーチング46話】

貧困と結婚

東京駅から元の勤務先までは地下鉄で15分ほどという事だったが、徒歩でも30分程度との事だったので歩いて向かうことにした。

「実は夢子さんに話しておきたいことがあるんです。

もう少し自分の考えをまとめてから話そうと考えていたのですけど、早いほうがいいと思いますので今聞いてもらえばと思います。」

「はい、なんなりと」

(一体なんだろう?実は他に恋人がいるとか、離婚歴が有って子供がいるとか、実は婚活用に美容整形してますとか?まさかセックス恐怖症とか?)

元の真剣な話しぶりから良い方向に考えることは出来なかった。

「前に私の給料は高くない事をお話したと思いますがそのことです。

はっきり言えば貧困問題って事です。」

(なんだその事か)

初対面の時から聞いていた話で、せいぜい年収400万円という事は了解済みなのに今更何を言い出すのかと思った。

(それともい低収入を理由に結婚を諦めさせるつもりなのだろうか?)

「運命の出会いなのか、たんなる出会い頭なのかわかりませんけど僕は夢子さんの事が好きです。

結婚するなら夢子さんみたいな人と出来たらいいなって本気で思っているのですが、直ぐに自分の収入の事とか、結婚してからの生活のことを考えてしまいます。

今の自分は収入の1割を貯金したら、家賃や光熱費を支払って贅沢といえば月に一度の外食くらいしかしていないのに、給料日前には綺麗に手持ちのお金が無くなっている状態です。

会社の経理の人が教えてくれたのですけど、結婚したら家族手当が月に1万円加算されて、控除額も増えるから手取りで2万円程度増える計算になるらしいのですけど、今の私が住んでいるワンルームアパートで暮らすことは狭すぎて無理ですから、それなりの住居を確保して家賃を支払うとなると、手取りが増えた分だけじゃ家賃だけでもカバーできない計算になってしまうんですよ。

そこに食費とか子供が出来たらなんて事を考えると、もう毎月の給料だけでは生活が成り立たないのは明白で、ある程度の貯金はありますけど貯金だっていつまでも有る訳じゃないですから・・・。

最近は先走ってるみたいで夢子さんの気持ちも考えないで、何度の結婚後の生活をシュミレートして、最後は電卓を投げ出すって感じなんですよ。」

夢子は元に寄り添いながら黙って聞いていたが、だから何が言いたいのか結論を出しているのかとても不安な気持ちで聞いていた。

「すいません情けない話を聞かせてしまいまして。

けど今話しておかなくちゃいけない事だと思いますから、もう少し聞いて下さい。」

「はい、けどその辺は最初にお会いした時から聞いてますから、心配しないで大丈夫ですよ♪

何とかなりますって!」

「有難うございます、けどまだ続きがあるのです。

これがまだ私が若者でしたら何とかなるって楽観視できると思うのですけど、今の会社は表現すれば細々続いているって感じでして、入社してから昇給といっても無いに等しいくらいの500円アップとかそんな感じなんですよ」

「別に昇給が有るだけ良いじゃないですか!」

「月給で500円昇給しましたって事は時給換算しちゃうと2円上がりましたとか時給3円アップって計算なんですよ。

それでうちの社長も贅沢しないで貯金しろっていつも社員に言っているのですけどね。」

確かに社会生活を送るには現金が必須なわけだし、将来子供が出来て惨めな思いをさせたくないのだが、恋煩いに陥ってしまった夢子にとって重要な問題とはどうしても思えなかった。

ただ元は真剣に考えているようだったので、今後の交際を考えればクリアにしておく必要があると思った。

それにあと少しで元の会社に到着してしまうので具体的に次のステップを決めるべきだと思った。

「あの今度の週末にその辺りの事をしっかりと話しをしませんか?

立ち話で今結論が出せるような内容でもないですし、元さんの収入と貯金だけじゃなくて私だって少しは蓄えも有りますし、共働きの夫婦だって多いんですから。」

結局、今度の週末に経済的な事を中心に結婚して生活が維持できるかどうかを話し合うことにした。

「じゃあ今度の週末は会社が終わったら私の部屋に来ませんか?

お話に時間はかかると思いますし、そうなると飲食店で話すのも難しいと思いますし・・

元さんが良ければ私の部屋に来てもらえればと・・・

そうしたらもうプレゼントを家に置き忘れて渡せないって失敗もなくなりますから♪」

「会社帰りにですか・・・たぶん8時に終わってまっすぐ向かっても夜9時を回ってしまうと思いますし、外回りの営業が私の仕事ですからかなり汗かいてますし、革靴を脱いで上がりたくないです。」

「入ったら直ぐにシャワー浴びて下さいね♪

それとご飯は作っておきますから手ぶらで来て下さい。

じゃあ今度の金曜日に船橋駅に到着する前に電話下さい。」

元は何か考え込んでいたがちょうど会社に到着したので、そこで軽くハグして二人は別れてたのだが背後に言った言葉は

「有難うございます、ただ霞を食べて生きていくことは出来ませんし、金の切れ目が縁の切れ目という諺もありますから夢子さんも少しは考えておいて下さいね。」

夢子はまっすぐ家に帰って徹底的に部屋の掃除をしようと思った。

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