婚活に後悔後に立たず【女性向け恋愛コーチング43話】

前回のお話:焦って婚活に失敗した兄の話【女性向け恋愛コーチング42話】

朝が来た

目覚ましの音で目を覚ました夢子は何もする気が起きず昨夜の事を思い出していた。

スマホには人工知能結婚相談所から次のお見合い参加についての意思表示の催促が入っていたが、断りのメールを入れるのも億劫だった。

(あのシチュエーションじゃ私が積極的に行かないと、元さんからホテルに誘えないだろうし、やっぱり作戦失敗だったかな。)

後悔後に立たずという言葉が頭に浮かんだ。

飲みすぎてしまったようで細かいところは覚えていないのだが、2軒目を出てきたのは夜の10時を回っていたと思う。

元さんが二軒目のお店を用意周到に予定していたように、その後の事まで準備してあると勝手に期待して店を出てきたのだが、元は目の前に通りかかったタクシーを呼び止めると、運転手さんに1万円を手渡すと夢子だけをタクシーに乗せたのだった。

紳士的な振る舞いで当然といえば当然の行動なのではあるが、お互いが婚活中という前提でデートしているわけだし、誘えば100%付いて来ると分かっていて私だけ帰してしまうのは、自分に魅力がなかったのかのように思えて少し悲しかった。

夢子としてもまだ絶対この人と結婚したいという迄の確固とした覚悟まで出来ていない状態で、いわば確実にキープしておきたいから関係を結んでおこうみたいな、考えようによっては計算ずくの話なので元の立場で考えたら、二軒目で解散するのは一番正しい行動だったのであろう。

そこで夢子は大変な事に気がついた。

「しまった!次の約束取り付けてなかった!」

夢子はスマホを取り出すと着信とメール受信履歴を見たが元からの連絡はなかったし、そもそも電話番号以外は交換していないのだから、メールなど絶対に入ってくる事は無いのだが何故かメールまで確認をしていたのだった。

元には九時になったら電話することにして衣服を脱ぎ捨ててバスルームに入った。

入浴中

湯船に浸かった途端にスマホの着信音が聞こえたので、部屋のカーペットがびしょ濡れになるのも構わず、スマホを置いた机まで行って電話に出ると期待に反して、電話の主は人工知能結婚相談所からだった。

「夢子様のお電話ですね、おはようございます。

先日メールでご案内させて頂きました今度の日曜日のお見合いですがご都合の確認で電話させて頂きました。

村田さんの件では残念な結果になりましたが、男性会員の数も多いですし次のお見合い相手のプロフィールも中々の方がいらっしゃいますのでぜひご参加をお願いします。」

夢子の頭の中は元さんの事で一杯だったし、こうしている間にも元から電話があったらと考えると早く電話を切りたかった。

「すいませんいま体調を崩していましてまた電話します。」

そう言って電話を切ったのだが、すごい勢いで電話を取っているので果たして相手は信じてくれているかどうか、よくわからなかった。

夢子は再びバスルームに戻った。

このページのAI朗読(字幕付き)

次回:デートの後に連絡が取れない【女性向け恋愛コーチング44話】