旅先での出会い【女性向け恋愛コーチング35話】

前回のお話:お見合い体験談の発表【女性向け恋愛コーチング34話】

夜行高速バス

夢子は京都行きの深夜バスの中で今後の自分について考えていた。

何度も書き直した末に書いた村田さんへのラブレターは直ぐに本人に渡してくれるという事で、来週中にはっきりした返事を出すように頼んだので、その結果が出るまで何も婚活する気持ちは出なかったので、急に思い立って有名な年結びの神社に出かける事にしたのだ。

朝7時に京都江駅に付いた夢子は京都駅のハンバーガーショップで簡単な朝食を済ませると、まずは全国の稲荷神社の総本家である稲荷神社大社に行くことにして、バスに乗って稲荷大社前で降りた。

稲荷神社

まだ朝の早い時間なのに外国人を始めとした観光客で賑わっていた。

そもそも稲荷神社は稲穂を守る農業の神様で縁結びには縁がないと思っていたのだったが、最近は縁結びにまで手を広げているというネット情報が有ったので、どうせ京都まで足を伸ばしたので来てみたのだった。

露天がたくさん並んでいて中でも夢子の目を引いたのが雀の串焼きで、何でも元々が稲穂を守る神様なので米を食べに来るスズメを食べてしまうという発想なのだそうだが、美味しそうでも無く誰も買っていかないように思えた。

稲荷神社は本命でもないので早々に本堂で手を合わせて、祇園に移動することにした。

京阪電車にのって京阪祇園四条駅までは15分位で直ぐに到着した。

駅からお目当ての八坂神社に歩きながら、村田さんの事を考えてみたり恋愛小説で旅先の出会いにはどんなシチュエーションが有るのか考えていると、お腹が空いてきてしまったので昼ごはんには未だ早いけれど、どこかで食事を取ろうと見回すと少し路地を左に入った所に小さな中華料理店があるのが目に入った。

時間が早いことも有って狭い店内にお客は少なく、夢子は日替わり定食を頼んでからメニューを見ると日本で初めて焼餃子を提供した店という言葉が気になってしまって、旅先での出会いを期待しているのに、何故か餃子まで追加注文してしまった。

珉珉での食事を終えて外に出ると、お目当ての祇園八坂神社まではすぐだった。

八坂神社に到着すると目的の場所は本堂に到着する前に直ぐに出てきた。

縁結びの神

因幡の白うさぎと大國主命の出会いを表した石碑は新しく出来たばかりのようで、果たしてご利益があるかどうかと思ったが、一応ここにくるのが目的だったので、素敵な出会いを祈願する事にした。

八坂神社

八坂神社を出て時計を見るとまだ午前11時で帰りのバスは京都駅24:15発だったので12時間以上も時間が有る事に気がついた夢子は、これからの行動について考えた見た。

縁結びの神様の力試し

旅の恥はかき捨てとい言葉が何故か頭に浮かんだ夢子は「縁結びの御利益を試してやる」そう呟くと使い捨てカメラを購入した。

夢子の作戦は一人でいる男性観光客の男性にこちらから声をかけて、逆ナンパをするという内容だったが、その口実としてカメラを差し出して写真を撮ってもらうという作戦だった。

若い頃は純愛に憧れた夢子だったがアラフォー女性には無縁だと考えて、思い切って行動してみようと思った。

写真を撮ってもらったらお茶へ誘うという所までを頭の中でシュミレーションをすると、一人で観光に来ている男性を探すことにした。

グリーンティ

夕方17時頃、夢子は一人で京都タワーの中でグリーンティを飲んでいた。

「縁結びの御利益なんて全然無いじゃないの・・」

一人でいる男性観光客をみつけて写真を撮って貰うことを口実にして声を掛ける作戦は、一応成功というかカメラが有ることで声を掛ける事は出来たが、あまりに同じ場所に留まっているのも変だし、そもそも一人で来ている独身観光客男性はとても少ないので、夕方までにシャッターを押してもらった男性は3人で、お茶まで誘い出す事に成功できた男性はゼロだった。

バスの時間までまだ6時間以上あるので、旅先での出会いを忘れて焼き鳥屋に入って、本日の反省会を一人で行うことにした。

京都の焼き鳥

「あの~お一人ですか?」

夢子は焼き鳥屋のカウンターで突然隣に座っていた男性から声をかけられて、声の主を見ると色白の30歳位に見える男性がニッコリ笑って更に言った。

「お一人でしたら暫く一緒に飲みませんか?」

夢子の頭の中をトワイライトゾーンの効果音が鳴り響いた。

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