お見合い体験談の発表【結婚相談所体験34話】

前回のお話:独身者は肩身が狭い?【結婚相談所体験33話】

婚活分岐点

次は夢子の発表の番だった。

「はじめまして夢子と申します。

今日はこうやって自分の活動報告させて頂くわけですが、同時に皆さんの経験からのアドバイスを頂きたいことがあります。

私は最近になってからようやく婚活を始めたばかりなのですが、こちらともうひとつAI(人工知能)結婚相談所という所に登録しまして先日そちらの斡旋で一日に2人の男子とお見合いをしてきました。

一人目はお見合いNGな男の特徴の見本みたいな男性の方で即お断りしたのですが、今悩んでいるのは二人目のお見合い相手の男性のことです。

お父さんの会社を引き継ぐ形で経営者になった、典型的な二代目社長で少し世間知らずな感じの人でしたが、お見合いの間はずっと楽しくて私からは即OKの返事を出しました。

私にとってはまさに玉の輿という相手で舞い上がってしまっている所もあって、生まれて初めての恋煩いにかかってしまったかもしれないです。

そしてお見合いから4日目の一昨日に村田さんからの返事を結婚相談所の担当者から頂いたのですが、様子見というか宙ぶらりんの状態になるようなお返事でどうすれば良いのか相談したいです。」

AI(人工知能)結婚相談所と聞いて婚活コーチが少し反応したように感じたのだが、もしかしたら同業者だから何か知っているかもしれないと思った。

「その相談の内容ですが村田さんからのお見合い後の返事は、両親を説得できないので時間が欲しいという内容でした。

これは結婚相談所の方の推測も混ざっていると思いますが、まだご両親が健在で会社も親父が取り仕切っている関係で、結婚相手についてもプロフィールを見せて了承を得られないと、お見合いから先には進めない人らしくて、村田さん本人は私に好印象を持ってくれていると信じているのですけど、一回ダメといった両親を説得できるほど押しは強くない人だと思いますし、なにしろ様子を見るというか待っていると言っても、いつまでが期限なんて無いですし、けど・・・」

で言葉が詰まったがテーブルの飲み物を口に運んで言葉を続けた。

「たぶん直感ですけど何時まで待っていても村田さんからデートの誘いは来ないと思います。

けどやっぱり完全に諦められないので、他の人とお見合いをしたとしても身が入らないと思いますし、村田さんのスペックがとても高かったから比べてしまって、心にブレーキがかかってしまうと思います。

いっそのこと即NGを出して断ってくれたほうがさっぱり忘れて次の婚活に取り組めたと思うのですけど、初対面で3分以内のボディタッチにも成功して、その時の手の感触もまだ覚えていて・・・・・。

けど実らない確率99%みたいに思えてどうすれば良いのか分からなくなっています。」

そこまでを一気に発表した夢子は周りを見回し参加者の様子を見たが、何か意見を言いたいような人はいなかったが、それは参会者全員が結婚難民一歩手前みたいな状態なのだし、他人にアドバイスするより有益な情報を手に入れるために集まっているのだから、参加者の中からアドバイスを貰うのは難しいと思った。

少しあいだ沈黙が流れてから婚活コーチの女性が口を開いた。

「それは少し難しい問題ですよね、恋愛経験がどのくらいなのか分かりませんけど、気になる男性が心の中にいらっしゃる状態で、割り切って別の男性にアプローチできる人もいれば難しい女性も多いですからね。

はっきり言ってしまえば二股かけられるような女性であれば、とっくに男性を捕まえていると思うのですよ。」

その先の答えを望んでいた夢子だったがコーチは、そこで口をつぐんでしまったので夢子は更に聞いてみる事にした。

「私はどうすれば良いと思いますか?」

「最終決断は貴女がするものですけど、話しぶりから推測すると村田さんの気持ちをはっきり確認しない限りは、新しい恋愛に踏み出せないのではないかしら?」

夢子は小さく頷いた。

「じゃはっきりしているわね、今は結婚相談所を通じてでないと相手にアクションは起こせない状態だと思いますから、例えば来週いっぱいまで待ちますとか期限を切って自分の思いを伝えるのがベストじゃないかしらね」

お礼を言って夢子の発表はそれで終了になった。

それから残りの発表が有ったが、村田さんにどうメッセージを送ろうかばかりを考えていて、コーチから終了の発言が有っても他の人の発表内容は全く頭に入っていなかった。

婚活情報を集める

発表会が終わって懇親会への出席はやめにして未だ図書館が空いている時間だったので、夢子は村田さんへの手紙を書くことにした。

図書館ならラブレターを書くコツについて書いた書籍もあるかもしれないと思って寄ったのだが、自分の気持ちを伝えるのに雛形もお手本も不要だと思い直して、自分の気持をストレートに書いて伝えることにした。

もちろん結婚相談所を通じ届けて貰うわけなので手書きより電子メールが素早く届けて貰えるのだろうけど、やっぱり自分の気持を伝えるには手書きで有るべきだと思って、途中で買った便箋にボールペンでメッセージをしたためた。

内容は一度会っただけで好きになってしまった事と、もう一度会いたいという気持ちだけを込めた内容で短いものだったが、それ以上何か書くような内容は浮かんでこなかったので、封をしてAI(人工知能)結婚相談所に寄って、必ず村田さんに渡してもらうように頼んで自宅に戻った。

このページのAI朗読(字幕付き)

次回:旅先での出会い【結婚相談所体験35話】