結婚相談所の本音2【女性向け恋愛コーチング28話】

前回のお話:結婚相談所の本音【女性向け恋愛コーチング27話】

AIによる結婚相談所

男性結婚相談員は自分自身に確認するように呟いた。

「お相手の女性にははっきり断らないで、もしかしたら数か月以内に返事が来る可能性があると伝えて、そのまま引っ張る例の手で行くわけですよね?」

「それは違うよ!あのボンボンからやっぱり両親がダメだと言いましたって断ってきたら、しばらく考えてもしも気が変わったら、お相手がまだ見つかっていないかどうか確認しますから、すぐに連絡くださいって事で対応しているのだから、女性にもまだ可能性が残っていると伝えるのは当然じゃないか」

「それはそうですけど、そうやってほぼ可能性はゼロで絶対忘れているのに期待を持たせて引っ張っている女性会員さんが何人もいるじゃないですか!」

「けど女性会員さんをある程度はキープしておかないと、そう簡単には集められないし集めるのにコストもかかるし、まさかサクラを使うなんて事をやれば発覚するリスクが出てくるから、理想が高くて中々お見合いしても決まらない女性は大切にしなくちゃいけないのだよ。

君も恋は盲目って言葉を聞いた事があるだろ?、恋煩いになってしまったら冷静な判断は出来なくなるし、意中の人以外の事は目に入らなくなるから、他の客商売と違ってその辺りはお客さんをコントロールしやすい所だよね?」

「そうですね、今期を逃して焦っているのにプライドが高いとか、理想が高くて自分のスペックはかなり低い入会者さんは、本気で結婚相手を見つけようと考えると難しいという扱いになりますけど、長く会員さんとして毎月会費を払ってくれる存在と考えると、本当に売上に貢献してくれる良いお客さんですよね。」

「そう!お見合いだけじゃなくて集団お見合いパーティーなんて男女各5名が最低開催人数だから、数合わせ的にも長期会員さんの存在抜きには成り立たないからね。

じゃ今日はもうおしまいにしよう。」

成功するラブレターの書き方

生まれて初めてのお見合い経験だった夢子はお見合い会場を出て、途中でスーパーに立ち寄って売れ残りで半額になったお惣菜と菊正宗を購入して自分の部屋に戻った。

玄関のドアを締めたとたんに一気に一日の疲れがこみ上げてきて、先ずはバスルームでゆっくりしようと、来ていた服を床に落とすとバスルームに入っていったが、途中で折角のお見合い用に買ったワンピースがシワになると気が付いて、戻ってハンガーにかけるとバスルームにお湯を張って体を沈めた。

入浴中

一人目のお見合いNG男の顔は未だ覚えていても、名前もすでに忘れてしまっていて頭の中は二人目にお見合いをした村田さんの事でいっぱいだった。

バスルームから出たら成田市で村田という、苗字の社長が経営している会社を調べてみようと思ったり、学研のムーという雑誌も買ってみてみようかと考えていた。

ただ冷静に今日のお見合いを振り返ってみると、次のステップであるデートに進める可能性は、贔屓目に見ても半分も無いような気がしてきた。

「だって結婚したら出来るだけ沢山欲しいって言っていたし、会社を継がせるのに男の子が欲しいって言っていたから、42歳だと微妙というかかなり不利よね・・

それなりに会話も弾んだし、ちょっと変わっていて面白そうな人だし、何といっても金持ちだし・・いい返事こないかな・・」

ただ考えれば考えるほどネガティブ思考に進んで行ってしまいそうなので、あっち次第なのだから考えても仕方がないと割り切って、バスルームを出て帰りに買ったスーパーのお惣菜で一杯やることにした。

半額のお惣菜

時々琥珀色の液体を胃の中に流し込みながら、スマホで村田さんの会社を検索したが、それらしい会社の情報はは全く出てこなかった。

村田さんは中小企業だとは言っていたが、海外出張が有ったり福岡県で展示会を開いたりしているという話なので、普通なら社長の名前で調べれば少しは情報が出てこないとおかしいと思ったが、まぁそれは運よく気に入ってもらえてデートまで進むことが出来たら、今度は経営している会社の名前を聞いてみる事にして、次は黄昏結婚相談所について調べてみる事にした。

こちらの情報はすぐに公式サイトが出てきたが、夢子がビルの前で見かけたAI(人工知能)が理想の結婚相手を探しますという、キャッチコピーばかりが目立って具体的に人工知能がどうやってマッチングさせるかとか、知りたい情報について出ていなかった。

夢子はスマホを充電器に乗せると、空になったグラスを再び琥珀色の液体で満たした。

自分にご褒美

「きょう頑張った夢子ちゃんにカンパーイ!!」

そう言い終わると急に強烈な寂しさがこみ上げてきて、何故急に寂しくなったのは分からなかったが、小さかった頃に近所に住んでいた、一人暮らしのおばあちゃんの顔を急に思い出した。

「一人暮らしのおばあちゃんは嫌だ・・・村田さん・・手を差し伸べて・・・」と呟いてグラスを空にした。

もしかしてこれが恋煩いなのかと思いながら、ベットに倒れこんだ夢子は深い眠りに落ちていった。

このページのAI朗読(字幕付き)

次回:お見合い相手からの回答【女性向け恋愛コーチング29話】