結婚相談所の本音【結婚相談所体験27話】

前回のお話:婚活に有利な趣味と不利な趣味【結婚相談所体験26話】

AIによる結婚相談所

夢子が帰った結婚相談所では、支店長に本日の日報を男性相談員が提出しながら切り出した。

「お疲れ様です、今日の報告書です。

本日の入会者は0でお見合い実施件数が4件になります。」

「あの二代目社長のお見合いはどうだった?」

「いつもどおり紳士的で少し変わっていて高年収ですから、今日も相手の夢子さんはもう乗り気になって、デートしたいと言い出していますけど何時も通りご両親に報告しておしまいでしょうね?

女性の方は意外と今日のお見合いは上手にできたって舞い上がって、次のデートに夢を膨らませている筈だけど、二代目社長は両親の意向が全てだからいつも本人が良いって言っても、経歴書見て両親が渋るんだよね。」

「他の結婚相談所も一緒だろうと思うけど、年々結婚難民そのものみたいな男性入会者が増えているから、そこそこハンサムで高年収の男性会員さんで、しかもなかなか相手が決まらなくてお見合いを繰り返してくれる会員さんは有り難いね。

自分の事を棚に上げて理想ばっかり高い入会者が増えているから、あんまり低スペックの相手ばかり紹介しても退会されてしまうし、その辺りが結婚相談所運営の難しいところなんだよね。

本社の方も売上予算で入会金と月会費と成婚料の他にお見合いセッティングの料金も予算化しているんだから、入会者がみんな1回めのお見合いで結婚しちゃったら売上は大幅に落ちてしまうからね。」

「実際現実はそうなんですよね、やっぱりちゃんと会員にお見合いを斡旋できないとだめですし、それには一定の会員数とバランスをキープしていないと難しいですからね。」

「他人から見た自分の評価だとか現実を理解して貰えばもっと妥協も出てくるだろうけど、なにせお金を払って自分の条件に合った結婚相手を探す位にしか考えていないから、若い子が良いとか美人じゃないと嫌だとか、あんたネットで買い物するみたいに検索条件入れて探すのと違うよって言いたい人も多いよね。

ただそうやってやたらと条件が高い人ほど、あっちこっちの結婚相談所に入会してみたり、色んな婚活イベントにお金を落としてくれるから、結婚相談業界にとっては良いお客さんだって事は分かっているよね?

それに男でも女でも美人だったり高収入とか公務員とか結婚条件が良い人が、入会するなりあっさりどんどん相手が決まってしまったら、もう会員さんは結婚難民ばっかりの難民船になっちゃうから、もう無理な条件でもどんどん聞いてあげて、一定期間は会員さんとして留まってもらわないと運営が厳しくなるからね。

逆に年齢的に厳しいとか低収入だとかいう自分を顧みない痛い人は、人工知能もつかって現実を理解させて身の丈を知ってもらわないといけないよね。

昔みたいに許嫁と黙って結婚して平和な家庭を作れる人ばっかりだったら、この業界は不要になってしまうから、結婚相談所運営ってのは色々難しいんだよ。

うちの男性会員の平均年収が425万円で最多が400万円以下の年収の男性ばかりだから、年収500万円以上と希望した時点で、もう90%の可能性を捨ててしまっている状態なんだよね。

昔と違って誰でも真面目に働いていたら右肩上がりで収入が増える時代じゃ無くなってるから、どうしても今貰ってる収入でしか判断できないのは仕方がないと思うけど、年々男性にとって結婚が難しくなってくるよね。」

「そうですね~売上的には成婚料よりも毎月の会費とお見合い費用のほうが多いですから、入会してもらってある程度は会員として活動してもらわないと、うちも仕事が無くなってしまいますよね。

営利目的でそこから給料出てますから当たり前ですけどね。」

このページのAI朗読(字幕付き)

次回:結婚相談所の本音2【結婚相談所体験28話】